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2017.10.18

シェーグレン症候群について

こんにちは、歯科医師田村です。
久しぶりのブログ更新ですので、きちんと医学的な話題をお届けしようと思います。

皆さん、シェーグレン症候群という病気をご存知ですか?
スウェーデンの眼科医であるシェーグレンさんが発見した病気です。

「なぜ眼科の病気を歯科のブログで取り上げるの???」とお思いの方がいらっしゃるかもしれませんね。

なぜなら『この病気の症状は、目にも口の中にも現れてくるもの』だからです。
本来ならば細菌やウィルスなどの敵を攻撃するために存在する免疫細胞が、なぜか暴走してしまい、敵ではない自分の身体の細胞を攻撃してしまうのです。これを『自己免疫疾患』と言います。

このシェーグレン症候群では、免疫細胞が標的として攻撃する対象が決まっていて、涙腺(涙をつくるところ)と唾液腺(唾液をつくるところ)をその標的としています。
つまり、免疫細胞に攻撃された涙腺や唾液腺からは、涙や唾液の出てくる量が減少してしまい、目が乾き口の中も乾く、ということになります。

目のことは専門外なので詳細な話はできませんが、口の中が常に乾燥しているということは、なかなか辛いみたいです。
常に口の中全体がヒリヒリして、食べることや話すことなど、口や頬を動かす動作を伴うものは全て痛みや不快感を伴います。それが24時間ずっと続くので、かなり精神的にも参ってきてしまうでしょう。

根本的かつ永久的な解決法はないものの、自己免疫を抑える薬や人工唾液・涙液などを使って、痛みなく生活できることが目標となるかと思います。
基本的には大学病院の口腔外科(外科処置の他、粘膜疾患も専門としています)へのご紹介となりますが、思い当たる症状があれば、ぜひご相談下さい。